鳥取県の文化・伝統ってなにかな?

文化や伝統は、むかしから郷土に伝わるものです。
この地域でしか見られない特色あるものが多く、鳥取県には、麒麟獅子舞、傘踊り、流しびななどの
伝統行事があり、弓浜絣や因州和紙などの伝統工芸もあります。
これらは地域への理解や愛着を深め、よりよい地域づくりの原点となってきました。
次世代へ引き継ぐ、保存・継承活動にも取り組んでいます。


鳥取の伝統文化

麒麟獅子舞(きりんじしまい)

麒麟獅子舞は、鳥取県の東部と兵庫県北部の一部地域に伝わる民族芸能です。中国の想像上の霊獣「麒麟」の獅子頭をかぶり、赤い同幕には大人が2人入ってゆっくりと舞うのが特徴です。令和元年には、日本遺産に認定されました。

流しびな

流しびなは、鳥取市用瀬町に伝わる伝統行事です。旧暦3月3日に男女一対の紙雛(かみびな)を桟俵(さんだわら)に乗せて川に流します。この日は、晴れ着姿の女の子たちが主役です。

因幡の傘おどり

傘踊りは鳥取県の東部の因幡地方に伝わる全国的にも珍しい独特の伝統芸能です。この踊りを誰でもかんたんに踊れるようアレンジしたのが毎年8月に鳥取市である「鳥取しゃんしゃん祭」での「しゃんしゃん一斉傘踊り」です。

弓浜絣(ゆみはまがすり)

江戸時代末期から県西部の弓ヶ浜で綿花栽培が始まり、おもに自家用として織られていました。 素ぼくな絵柄と藍と白のコントラストが特色です。

因州和紙(いんしゅうわし)

因州和紙の「因州」とは因幡の国という意味です。平安時代に書かれた「延喜式」に因幡の国から朝廷に和紙が献上されたことが記録されています。鳥取市の青谷町や佐治町がおもな産地で、多くの和紙愛好家や書道家に愛用されています。

鳥取の伝統工芸品


鳥取出身の偉人(いじん)

鳥取県に生まれ育ち、日本の文化の歴史に名前をのこした人たちを紹介します。

童謡・唱歌

岡野貞一
(おかの・ていいち)

岡野貞一

1878~1941年・鳥取市生まれ。
日本の代表的な童謡・唱歌をたくさんつくりました。おもな作品に「故郷」「春が来た」「春の小川」「朧月夜」「紅葉」などがあります。

童謡・唱歌

田村虎蔵
(たむら・とらぞう)

田村虎蔵

1873~1943年・岩美町生まれ。
子どもにわかりやすい歌詞と歌いやすい曲が必要だとして、数多くの唱歌を作曲しました。おもな作品に「大こくさま」「きんたろう」「はなさかじじい」「一寸法師」などがあります。

俳句

尾崎放哉
(おさき・ほうさい)

尾崎放哉
写真:鳥取県立図書館蔵提供

1885~1926年・鳥取市生まれ。
季語や形にとらわれない自由律の俳人、それも漂泊の俳人として知られ明治中期から大正にかけて活躍しました。おもな作品に「咳をしても一人」「入れものがない両手で受ける」などがあります。

文学

尾崎翠
(おさき・みどり)

尾崎翠
写真:鳥取県立図書館蔵提供

1896~1971年・岩美町生まれ。
大正8年に日本女子大学入学後に、小説「無風帯から」を「新潮」に発表しました。その後、小説、戯曲、映画評、短歌などを次々と発表しました。おもな作品に「第7官界彷徨」などがあります。

民芸

吉田璋也
(よしだ・しょうや)

吉田璋也
写真:鳥取民藝美術館提供

1898~1972年・鳥取市生まれ。
鳥取市内で医院をしながら、陶芸、木工、竹製品などいろいろな民芸品のつくり方を教えました。すぐれた民芸品をみなさんに見ていただくため、鳥取民芸館(今の鳥取民芸美術館)をつくりました。

写真

植田正治
(うえだ・しょうじ)

植田正治
写真は植田正治写真美術館

1913~2000年・鳥取市生まれ。
山陰の空・地平線・そして砂丘を背景として、被写体をまるでオブジェのように配置した演出写真などを撮影しました。平成8年にはフランス政府から芸術文化くん章を受賞しました。

絵画

前田寛治
(まえだ・かんじ)

前田寛治
作品:鳥取県立博物館蔵

1896~1930年・北栄町生まれ。
中学生(旧制中学のことで今の高校)のときに画家を目指ざし、日本を代表する画家となりました。おもな作品に「海」「横臥裸婦」「棟梁の家族」などがあります。